簿記3級、2級を学んだあとの学習ロードマップ

はじめに

先日SNSを見ていた時に「簿記2級まで学んだ後の学習は税理士や会計士・社労士などの専門コースに言ってしまう」という悩みを聞きました。そのため、今回は簿記2級まで学んだ方が次の目標を設定するために何を行うべきか書いてみました。勉強する方の参考にして頂ければ幸いです。

対象読者

  • 日商簿記検定 2 級、3 級に合格した方
  • 経理や総務に配属された新卒の方
  • スキルを得たいバックオフィスの方

学習ロードマップ

簿記検定から派生した学習においては、大まかに以下の方針で大別できるかと思います

  • 会計をもっと深めていきたい人
  • 会計に関する周辺知識を学びたい人
  • 税務
  • 総務・労務全般
  • Excel 等の IT スキル
  • プログラミング
  • その他教養全般


様々な分野に進むための基礎知識として簿記検定は利用できる反面、派生する範囲が広すぎるため悩んでしまう方が多いかと思いますので、それぞれの興味別にまとめてみました

会計・税務に関してもっと興味を持った人

会計士・税理士試験

俺は会計が好きだ!これを仕事にするんだ!っていう人は、勇気を持って公認会計士・税理士試験を受験するのはありです。しかし、これらの資格の取得コストは相当高い(一説によると 3000-5000 時間の学習が必要らしい?)ので、生半可な覚悟で受験をするのはおすすめ出来ません。ですので、これらを目指すのであれば強い意志を持って専念をすることをおすすめします。
公認会計士試験に興味を持った方は、この本などを読んでイメージつけると良いかもしれません。この本は東京 CPA という会計士の予備校講師が書いた本であり、結構わかりやすい気がします。

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ちなみに僕は TAC という予備校出身です。予備校は正直どこでも良いと思いますが(教える内容よりも自分の努力がモノを言うと考えているため)、宗教戦争が勃発しかねないのでここでは割愛します。
また、税理士試験の場合は 1 科目ずつ確実に合格していくことが出来るため、働きながら勉強をする人が多い傾向にあるそうです。

税務の基礎

簿記検定の勉強を行っていると「アレ、税務全然やらなくね?」ということに気づくかと思います。
法人税申告プロセスの基本は、会計上の利益をベースに税務調整と呼ばれるプロセスを踏むことで課税所得を計算、税額を計算することになります。税務調整の方法は法人税法上で定められているため、それの内容を覚えることが法人税申告では求められます。それぞれ個別論点だけで一冊の本が出るくらいボリューミーなので、最初は薄くて軽い本を使って学ぶのがおすすめです。


税務実務をゴリゴリやらない監査法人の若手などは、この本を使うと税効果会計の勉強に効果的だと思います。


また、所得税の確定申告の場合は、簿記とはあまり絡まないところもあります。幸い所得税の基礎については、初心者向けの入門書が非常に豊富にあるので、それのどれかに一度目を通すのがおすすめです。

BATIC

BATIC はIFRSに関する検定試験です。問題も英語で出題されるため、相応の英語力が必要ではありますが、IFRSを学ぶにはとても良いと思います!ちなみに僕は受験をしたことないので難易度はわかりません。すみません。

事務職のスキルを高めたい人

労務・総務入門

バックオフィス業務には、経理のみならず、労務・総務の知識を学ぶ必要があります。特に小さな会社はスタートアップの場合は、広い範囲の知識が求められるかつ、それぞれの分野の基礎を幅広く押さえる必要があります。以下の本などをよむと、基本的な内容を簡単に押さえることができるのでおすすめです。若手会計士なども会社の人の目線に立つために読むのをおすすめします。

社会保険労務士試験

労務分野を学習して楽しくなってしまった方は、労務の専門職である社会保険労務士試験を受験してみるのも良いでしょう。こちらの試験は暗記量が多いですが(会計士と社労士の資格を持つ後輩も、社労士のほうが暗記が辛かったと言っておりました)、合格することで労務のスペシャリストとして仕事が出来るようになるので、労務を仕事にしたい方にとってはおすすめです。なお、給与計算も会計処理に密接に関わるので、簿記検定の知識が社労士の仕事に活きることも多いです。

IT関連

簿記検定を学んだ経理の方は、実務に置いて SaaS や Excel といったツールを触る方も多いことでしょう。ビジネスで使うツールについて学びたい方は、以下のものにチャレンジするのはいかがでしょうか。

Excel入門

現代の事務作業において Excel は欠かせません。Excel は多くの人が使うにもかかわらず、人によってかなりの実力差がある分野であります。そのうえ、学習のための教材が巷に溢れているため、少し勉強するだけでかなり人と差がつく分野であります。僕は以下の本を若手時代に読んだりしておりました。

VBA

Excel の勉強をある程度始めたあと、業務の自動化について興味を持つ人が多いかも知れません。そんな時は Excel を自動で操作することができるマクロや VBA について触れたいと思うかも知れません。VBA プログラムの基本を学んで自動化に慣れてきたら本格的なプログラミングに挑戦することも良いかと思います。

お金の教養をつけたい人

簿記検定の取得目的はお金の勉強!と割り切る方は、簿記の知識を深めるよりも、お金に関する基本的な内容を学んだほうが楽しいかと思います。お金に関する知識は税金・資産運用など非常に範囲が広いので、各分野の本を読み漁るよりも、FP 試験などを用いて体系的に学ぶほうが効率的な場合があります。

FP試験

FP 試験は、お金に関する知識を網羅的に学ぶことができる良い資格です。3級、2級、1級と順を追って受験をしないといけないため最後まで合格するのは時間がかかりますが、学習することでお金に関する知識を広く身につける事ができます。ある意味「大人の常識力トレーニング」のような意味合いもあるため、とりあえずお金のことを学びたい人にとってはオススメの資格です。私も大学生の時3級を受験したことがあります。

さいごに

ここまでで学習すべきロードマップについて記載していきました。個人的な主観が混じってはおりますが、学ぶべきことを迷っている方の参考になりますと幸いです。

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